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「さてと。じゃあ、被害者の元へ行くか」
「今度は酒屋さんの方へ行くの?それとも玩具屋さん?」
書店員が言っていた被害者は近所に居た。
それも二択の選択肢がある。きっとそのどちらかへ行くのだろうとばかりフランは思っていた。
「いや、そうじゃない」
「え?」
しかし、リュクレーヌはきっぱりと否定する。
「俺達が会いに行くのはこの騒動の被害者だ」
騒動の被害者。襲われた人たち以外に被害者が居るのだろうか。とフランは疑問を抱きながら歩きなれている街を進んだ。
暫くしてたどり着いたのは立派な建物だった。
来た事は一度も無い場所だったが、何をする場所なのかは何となく分かった。
建物には大きく「POLIS」と記されていたから。
「ここは……警察!?リュクレーヌ自首するの?」
「俺、何もしていないからな」
「でも、被害者って?」
「そっ、今回の騒動の被害者だな。ものすごく叩かれているからな」
「あぁ、そういう意味か」
アマラ軍への賞賛とは対照的にバッシングを受けている警察。
元々、国家権力として世間からの風当たりが強い組織ではあるが、今回のマスカ騒動で手も足も出ていない事から無能扱いされている。
建物の屋内は慌ただしい雰囲気だった。散乱する手紙の山や、訪問者の対応で、てんやわんやだ。
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