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「すいません、ラルファ刑事は居ますか?」
リュクレーヌは淡々と、その場にいた手の空いていそうな警官に要件を伝える。顔見知りであるラルファ刑事との面会を求めた。
警官が「少々お待ちください」といい一目散に去っていった。暫くすると、見慣れた顔が二人の前に現れた。
「お久しぶりです。ラルファさん」
リュクレーヌはにこりと微笑み手を差し伸べる。ラルファは手を取り握手をした。
「あぁ、随分と久しぶりな気がするな」
「実は少しだけ聞きたいことがありまして」
「手短に頼むぞ。何せ忙しいからな」
普段は強気で快闊なラルファですら、疲弊しているのが見て取れる。心身ともにぐったりとしているようだった。
忙しい。その理由は明らかだ。
「クレーム対応ですか?」
「何故それを?」
「そりゃ、あれだけ叩かれていたら分かりますよ」
日夜、新聞を通じて、警察へ対するヘイトスピーチは警察外部のリュクレーヌですら分かる。
ラルファは大きなため息を吐いた。
「……警察は今や大変な事になっている」
「まぁ、国家権力ですからね。権力があるのに何もできていないじゃないかってところでしょう」
「出来るわけが無いだろう!マスカは、人間には退治することは出来ない」
「えぇ、その通りです。だからアマラ軍が重宝されるようになった」
「毎日アマラ軍と比較されてばかりだ。警察は無能だと後ろ指をさされているよ」
「役割分担の話だと思いますけどね。管轄が違うでしょ。そもそも」
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