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警察はマスカと戦うことが出来ない。であれば、マスカに関する事件に対応する事は出来ない。
例え現場へと向かったところで、何もできずにいるところを晒され、笑いものにされるのだろう。
打つ手は何もなかった。
「それでも市民の安心安全を護るのが私たちの仕事なんだ」
それでも、この街に住む市民の為に出来る事はないだろうか。
ラルファは何とかして考えたが、どうすることも出来なかった。
「……これだけ妨害工作されちゃ、無理でしょ」
ぼそりとリュクレーヌが呟く。
「何か言ったか?」
「いえ、何も?」
「さて、聞き込みも終わった事だし帰るぞ。フラン。」
リュクレーヌはフランの肩を叩いてそそくさと帰り支度をした。
「えっ?なんか愚痴きいただけみたいだったけど」
「いや、これでいい。長居しても邪魔だしな。ありがとうございました」
「あ、ありがとうございました」
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