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今はまだ、街一つの話で済んでいる。だが、マスカの勢力がイギリス中に、はたまた世界中に広がったらその時は──
最悪の結末を辿らないために、ルーナ探偵事務所と名探偵リュクレーヌ・モントディルーナは存在する。
断言するように、真剣な表情でリュクレーヌは言った。
要求は「飯を作れ」なのだが。
「分かった。どうしようかな…今夜は。お昼は僕の食べたいものだったし……」
「サンドウィッチがいいな」
「分かった。すぐ作るよ」
フランはキッチンの方へ消えて行く。その背中に補完するようにリュクレーヌは声をかけた。
「あっ、外で食べられるようにしよう。ピクニックだ」
「ピクニック?」
「あぁ」
外に持ち出せる食事を所望する理由をフランは何となく察した。
リュクレーヌが外出したい理由。そんなものは一つしかないだろう。
「……もしかして、また何か調べるの?」
「その通り。さっ、準備するぞ!」
ソファから起き上がり、フランの夕食を待って、二人は黄昏時のピクニックへと向かうのであった。
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