9.ハーベストムーン

35/60
前へ
/743ページ
次へ
「へぇ……アンタらのとこの編集長とやらが全部知っているわけか」 編集長の口止め。つまり、ネオン新聞社へ行けば事件の核心に一気に近づく事が出来る。 「編集長に会わせろ。どうせこれから新聞社に戻るんだろ?」 「お前ら……何の権利があって!」 ここは一歩たりとも引けない。リュクレーヌは畳みかける様に、彼らに要求する。 だが、エディもジャニーも一筋縄ではいかない。こうなったら、とリュクレーヌは切り札を切る。 ある人物の名前を口走った。 「アドミラ・スティノモス」 「誰だ?そりゃ」 「なんで……その名前を」 「え?先輩。誰です、それ?」 「アマラ軍の一番偉い奴だよ!」 「そう、俺たちはアマラ軍司令の下動く私立探偵だ」 「僕はアマラだけど、訳あって助手をやっているんです」 自分達の素性を明かすと、エディの顔色はみるみる青くなっていく。 どうやら、アマラ軍には逆らえないようだ。 「俺たちは今、ファントムの協力者を探している。」 「協力者?」 「リュクレーヌ、この人たちが協力者なんじゃないの?」 「いや、タレコミ元の方が気になるところだな。そいつがきっと協力者だ」 「だから編集長に会いたいって事か」 編集長が口止めをした。情報のリーク元、つまり協力者を知っているのは彼しかいないだろう。
/743ページ

最初のコメントを投稿しよう!

106人が本棚に入れています
本棚に追加