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「というわけで、俺達の捜査に協力しろ。駄目だと言うならお前らが崇め奉るアマラのお偉いさんに告げ口するからな」
「ひぃっ」
リュクレーヌが脅す様に言うと、記者たちは悲鳴をあげて怯えた。
そのまま渋々とネオン新聞社の方へ二人を案内する。
「ちょっとかわいそうだったかな」
「これくらいは仕方ないだろ。まっ、俺にしては荒っぽい方法だと思うけどな」
「いつもこれくらい無茶すると思うんだけどなぁ……」
「何か言ったか?」
「なんでもないよ」
軽口を叩いているうちに、新聞社まで着いた。階段を上がり、二階の前へと立つ。
先に、記者二人を入室させる。怪しまれないためだ。
「ただいま戻りました」
「随分と遅かったな。取材は上手く行ったのか?」
「それが……」
気まずそうにジャニーが沈黙する。
「いくぞ」
タイミングを見計らい、リュクレーヌとフランが突入した。
中は随分と暗い。だが、人や物がどこにいるか、あるかくらいは分かる。
「どうも。アンタが編集長?」
編集長と思わしき人物は奥のデスクのヴィンテージ加工の椅子にどっかりと座りこんでいた。
髭を蓄え、メガネをかけて、一見紳士的だが、どこか嫌味な雰囲気を持っていた。
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