9.ハーベストムーン

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「でもアマラ軍って言っても沢山人がいるよ。特定するなんて……」 「いいや。出来る。奴がとんでもない事を口走ってくれたおかげでな」 リュクレーヌは自信満々だ。奴?誰だろう……とフランは俯く。 いや、確かにいた。彼しか知りえない情報を口走ってしまった者が。 「……あっ!そうか。なんでアレを知っているの?ってなるもんね!」 「そういう事だ。頼んだぞ。あ、あとこれを持っていけ」 手に持っていたのは小さなブローチだった。手渡されてすぐ、フランは鞄にしまった。 「うん。わかった。」 こくりと頷く。作戦は決まった。リュクレーヌはリュクレーヌで別の動きをするという。 「じゃあ、今日はもう寝るぞ。明日に備えてな」 「うん」 大丈夫。きっとこの作戦は上手くいく。不思議と自信があった。  
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