9.ハーベストムーン

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◆   アマラ軍本部。ここに来るのは2ヶ月ぶりだ。ファントムを捕らえる作戦のために、アマラ軍と共に戦ったきりだった。 「こんにちは」 受付まで行き、一人の女性に声をかけた。 女性はフランの顔を見るなり、目を丸くした。 「あら、フラン君じゃない!久しぶり」 「お久しぶりです!アイラさん」 アイラはフランのアマラ軍時代の知り合いだった。 互いの雰囲気からして、それなりに仲のいい知り合いだったのだろう。 「元気にしていた?なんか、急に辞めちゃったから心配したのよ?」 アイラはフランがアマラ軍をクビになった事、辞めた理由を知らない。 そもそも、それなりに仲のよかった軍内部のアマラも知らない事情だ。 誤って人を撃ってしまったという理由が理由だけに、クビであることも伏せられていたらしい。 流石に、本当の事をいう訳にもいかなくてフランは笑って誤魔化す。 「いやー、心配おかけしてすみません…」 「それよりも、何の用かしら?」 「これを」 フランはガンホルダーからスチームパンク銃を取り出して、アイラに見せる。 「え?これって銃……よね?」 「えぇ、ファントムから貰ったものなんですよね。これ」 「ファントム!?」 「つまり、自首です」 「!?自首って……何したの!?フラン君!」 アイラの顔色がみるみると青ざめる。 隙を見せたのをいい事に、フランはそのまま銃を構えて、アイラに突き付けた。 「まだ分かりませんか?僕が協力者なんですよ。ファントムのね」 「嘘……そんな、誰か!助けて!!」 流石にマズい状況だと理解し、彼女は強く叫び、助けを求める。 周りにいるアマラ軍も驚き、一瞬、狼狽えた。 だが、狼狽えなかったアマラが一人だけいた。 「何をしてるの?」
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