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誰も居ない取調室へと二人は足を踏み入れた。
牢獄ほど不気味な雰囲気は無いが、それでも殺風景な空間であった。
有るのは、裸電球とテーブルと二人分の椅子だけ。地下のため窓もない。二人は椅子に着き、向かい合う。
「さてと、じゃあ聞かせてもらおうかしら」
「というよりも、聞きたい事があるのは僕の方なんだよね」
「私への聞き込みって事よね」
「そうだね。そうなるね」
クレアへの聞き込み。つまりはアマラ軍への聞き込みだ。
この情勢で、当のアマラ軍への変化はあったのか。それに、昨日フランが新聞社からくすねたあの記事の事も聞かなければならない。
「まず、このアマラ軍を支援する流れが出来たのはいつから?」
「マスカ特別法の制定からかしらね。二人が船旅に行っている間よ」
「ということは、アドミラさんも居ない間ってことか……」
「パパも何も知らなかったみたい。でも、おかしいのよね」
「何が?」
「パパが言っていたの。マスカ関係の法案を作るのであれば専門家であるアマラが助言をするはずだろうって」
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