9.ハーベストムーン

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「新聞社って?」 「ネオン新聞社。僕たちが取っている新聞なんだけど……まあ、酷い所だったんだ」 マスカが出現する情報が有るのであれば、事前に避難を促すのが、情報を扱う人間の仕事なのでは無いのか。 被害が出てから、現場に駆け付け仕事をする。まるで、被害を喜ぶような──人の命なんて虫けらも同然なのだろうか。 何が彼らをここまで狂わせたのか、或いは元々彼らは悪人だったのか。分からない。理解できなかった。 「クレアの言った通りだったよ……彼等はアマラ軍を応援するよりも、叩きたいものを叩くために、この騒動を利用している」 「そうだったの……」 クレアは俯いた。怒りに任せて発言したことは現実だった。 「ねぇ、私からも質問いいかしら?」 「勿論。何かな?」 「もう犯人の見当はついているの?」 核心をつく質問に、フランは取り乱す──かと思えば、余裕の笑顔を一つ浮かべる。 「あぁ、そうだね。見当がついているからここに来たんだよ」 「そうなのね。ここで犯人捜しをするって訳じゃなかったのね」 「そうだよ。アレを知っているアマラは限られてくるからね」 犯人を特定する決定的な証拠があった。それはリュクレーヌにもフランにも分かっていた。だからこそ今ここに居る。 「アレ?」 決定的な証拠がクレアには分からずに首を傾げる。 「とにかく、協力者……オクトさんをここに呼んでくれないかな」
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