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「新聞社って?」
「ネオン新聞社。僕たちが取っている新聞なんだけど……まあ、酷い所だったんだ」
マスカが出現する情報が有るのであれば、事前に避難を促すのが、情報を扱う人間の仕事なのでは無いのか。
被害が出てから、現場に駆け付け仕事をする。まるで、被害を喜ぶような──人の命なんて虫けらも同然なのだろうか。
何が彼らをここまで狂わせたのか、或いは元々彼らは悪人だったのか。分からない。理解できなかった。
「クレアの言った通りだったよ……彼等はアマラ軍を応援するよりも、叩きたいものを叩くために、この騒動を利用している」
「そうだったの……」
クレアは俯いた。怒りに任せて発言したことは現実だった。
「ねぇ、私からも質問いいかしら?」
「勿論。何かな?」
「もう犯人の見当はついているの?」
核心をつく質問に、フランは取り乱す──かと思えば、余裕の笑顔を一つ浮かべる。
「あぁ、そうだね。見当がついているからここに来たんだよ」
「そうなのね。ここで犯人捜しをするって訳じゃなかったのね」
「そうだよ。アレを知っているアマラは限られてくるからね」
犯人を特定する決定的な証拠があった。それはリュクレーヌにもフランにも分かっていた。だからこそ今ここに居る。
「アレ?」
決定的な証拠がクレアには分からずに首を傾げる。
「とにかく、協力者……オクトさんをここに呼んでくれないかな」
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