9.ハーベストムーン

47/60
前へ
/743ページ
次へ
犯人の名前を告げる。フランの上司であり、彼と共にルーナ探偵事務所に初めて訪れた者だ。 クレアは頷き、「分かったわ」と従うしかなかった。   数分後、クレアに連れられてオクトが現れた。 彼は、フランとの再会を喜び「久しぶりだな」と声をかけた。 しかし、フランの表情は曇っていた。これからオクトを摘発するのだから。 深く、息を吸う。落ち着いて、いつもよりも低いトーンで、「オクトさん」と声をかけた。 「単刀直入に言います。貴方はファントムとグルなんでしょう」 「何を言っているんだ?」 オクトは、きょとんとしながらフランの顔を覗き込む。 「はぐらかさないでください」 「いや、何を言っているんだ。ファントムと俺がグル?」 何も知らないという素振りをオクトは見せる。 ──それでも、この人以外ありえないんだ フランは、悔しさと怒りを複雑に織り交ぜた視線を送った。 「大体。お前が協力者だと自首してきたんだろう?それを今更私に罪をなすりつけようとするのか?」 「しらばっくれても無駄です。証拠もあるんですよ」 「何?」 「まず、アマラ軍に協力者がいることについて話しましょうか。」
/743ページ

最初のコメントを投稿しよう!

106人が本棚に入れています
本棚に追加