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犯人の名前を告げる。フランの上司であり、彼と共にルーナ探偵事務所に初めて訪れた者だ。
クレアは頷き、「分かったわ」と従うしかなかった。
数分後、クレアに連れられてオクトが現れた。
彼は、フランとの再会を喜び「久しぶりだな」と声をかけた。
しかし、フランの表情は曇っていた。これからオクトを摘発するのだから。
深く、息を吸う。落ち着いて、いつもよりも低いトーンで、「オクトさん」と声をかけた。
「単刀直入に言います。貴方はファントムとグルなんでしょう」
「何を言っているんだ?」
オクトは、きょとんとしながらフランの顔を覗き込む。
「はぐらかさないでください」
「いや、何を言っているんだ。ファントムと俺がグル?」
何も知らないという素振りをオクトは見せる。
──それでも、この人以外ありえないんだ
フランは、悔しさと怒りを複雑に織り交ぜた視線を送った。
「大体。お前が協力者だと自首してきたんだろう?それを今更私に罪をなすりつけようとするのか?」
「しらばっくれても無駄です。証拠もあるんですよ」
「何?」
「まず、アマラ軍に協力者がいることについて話しましょうか。」
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