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たったそれだけの情報から、数百人はいるアマラ軍の中からたった一人の協力者を見つけ出したのだ。
まぁ、フランよりも先にリュクレーヌが気づいたのだが。
「これでもまだ、白を切るつもりですか?」
決定的な証拠を突き付けた。あなた以外はあり得ないという。
フランは、オクトの方を睨みつける様に強い眼差しで見つめた。
すると、オクトは俯いた。暫しの沈黙が取調室を包み込む。
「オクトさん?」
「……俺がやったよ。確かにな。」
掠れる声で響いたのは自白だった。
分かってはいた。分かっていたが、どうして自分の上司が、アマラが人間を裏切りファントムと手を組んだのだろう。
フランには理解できなかった。
「どうして、そんな事を……アマラの仕事は、マスカから人を護る事でしょう!」
「もう疲れたんだよ。俺達はどんなに人を救おうとも、誰にも感謝される存在ではなかっただろう」
「!」
「例え、命を張って、マスカから人の命を護っても、それが当たり前。それが仕事だから。いや、何をやっているか分からない者の方が多いだろうな。よく分からない敵国の兵器と戦う胡散臭い軍隊。と思われているかもな」
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