9.ハーベストムーン

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「フラン!!」 クレアの声でハッとする。まずい。 このまま引き金を引かれたら── その前にオクトの銃口から避けなければならない。 フランは咄嗟に、銃口から逃げる様に躰の方向を変えた。 銃弾が放たれた時には、既に照準にあったのは石畳の床だった。 ズガンと、床に一発、弾丸が撃ち込まれた。 「今だ!」 今度はフランが叫ぶ。背後から近づいたクレアがオクトを取り押さえる。 「クソ!二対一はズルいぞ!」 床に這いつくばりながら、じたばたとのたうち回り往生際悪く叫ぶオクトに、無慈悲だと思いつつもフランは銃口を向けた。 もう、こうするしかない。多少手荒な真似だろうと、なりふり構っていられない。絶対にこの人を捕らえなければならない。 「罪を、認めますね?」 「それはどうかな?」 オクトの口角が怪し気に上がる。 「えっ?」 「誰か!!!助けてくれー!」 腹の底からSOSを求めた。一体何が起こっているんだ、フランは怪訝な顔でオクトの方を見る。 「何をっ!」 「これから駆けつけてくるはずのアマラに、お前達に襲われたと言えば、お前たちは警察行きだ。残念だったな」 「……」 「どうした、何か言ったらどうだ?ショックで声も出ないのか?」 「……残念でした」
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