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「もう、終わりです。オクトさん」
「離せ!警察ごときがアマラに」
「アンタはもうアマラじゃない。ただの裏切り者だ!」
そう言ってラルファはオクトに手錠を掛けた。様子を見ながらリュクレーヌは一つ頷く。
「へぇ。やっぱり、アンタだったんだな。」
「クソ!クソぉっ!フラン!お前よくも!」
吐き出されるのはフランに対する恨み言しかなかった。
「話は署で伺う。とっとと歩け!」
「覚えてろ!一生恨んでやる!」
コイツさえいなければ、アマラ軍は──自分は称えられる存在のままだったのにとでも言うように。
一人、沈黙を貫いていた男が居た。
「ほら、編集長。スクープだぞ」
「……」
ネオン新聞社の編集長だ。彼もこの場所へと同行した。これまでの誤解を解くための記事を書かせるために
「アンタの散々もてはやしていたアマラ様がファントムのスパイだったってな。明日の一面を飾るんだな」
それとも書けないか?今まで持ち上げてきたアマラ軍のスキャンダルなど。
言葉が出ないのか、編集長は黙ったままだった。
「……しい」
「え?」
「素晴らしい!これは立派なスクープだ!ありがとうございます探偵さん!まさかアマラ軍が悪者だったなんて!」
ところが、声を上げた編集長からは賛美の言葉が吐かれる。
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