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「そうだね、リュクレーヌは、ルーナエさんの為に……」
「人間は、間違えるもんだよ。弱いところだってある。それでも、間違いを直してくれるのも、弱い所を支えるのもまた人間なんだよ」
間違えるのが人間。しかし、正すのも人間だ。
「だから、フラン。気にするなよ。俺は自分がマスカになった事も、お前に人間らしいって言われた事も誇りに思っているよ。」
だからこそ、正す人間で居られるように、人間の心に誇りを持つ。
マスカになってしまっても、リュクレーヌは人間の心も悪くないと信じていた。
フランは、目を丸くして、すぐに顔を逸らした。そして、小さく呟く。
「……関係ないからね」
「ん?何が」
逸らした顔を、もう一度向ける。
「マスカだろうが、人間だろうが、リュクレーヌは僕にとって…………」
肝心なところで、フランの言葉は止まった。
「とって?」
「…………」
続きは出てこない。
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