9.ハーベストムーン

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「そうだね、リュクレーヌは、ルーナエさんの為に……」 「人間は、間違えるもんだよ。弱いところだってある。それでも、間違いを直してくれるのも、弱い所を支えるのもまた人間なんだよ」 間違えるのが人間。しかし、正すのも人間だ。 「だから、フラン。気にするなよ。俺は自分がマスカになった事も、お前に人間らしいって言われた事も誇りに思っているよ。」 だからこそ、正す人間で居られるように、人間の心に誇りを持つ。 マスカになってしまっても、リュクレーヌは人間の心も悪くないと信じていた。 フランは、目を丸くして、すぐに顔を逸らした。そして、小さく呟く。 「……関係ないからね」 「ん?何が」 逸らした顔を、もう一度向ける。 「マスカだろうが、人間だろうが、リュクレーヌは僕にとって…………」 肝心なところで、フランの言葉は止まった。 「とって?」 「…………」 続きは出てこない。
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