10.ハンターズムーン

2/62
前へ
/743ページ
次へ
「うわっ!?」 上空で大爆発が起こる。空を覆っていたマスカのうち、数体はちりとなって破片が降る。 「何だ!」 上空を見上げると、二体の何かが下降していく。一つはマスカだ。 もう一つが分からない。人間と同じ形をしていたが、急降下し、姿が鮮明になる。 やっと分かった。よく見ると、人間ではなく、人形だ。 顔にはペストマクスをつけている。 「マスカ……?じゃない?」 ペストマスクの人形たちは、爆発と共にマスカを次々と破壊していった。 空を覆うマスカは破壊されたもの、撤退したものを含めて、みるみる減っていき、半数程になっていく。 「すごい、マスカを倒しちゃった」 「とにかく、今のうちだ。事務所に戻ろう」 「う、うん!」 感心している暇はない。 半数になったとは言え、数十体のマスカがうろついている。 全速力で二人は事務所へと帰り、侵入者を赦さないように厳重にドアを閉めて鍵を掛けた。 何分間待っただろう。時計を見てもまだ数分しか経っていない。 それを何度繰り返しても、外の轟音は収まらない。
/743ページ

最初のコメントを投稿しよう!

106人が本棚に入れています
本棚に追加