10.ハンターズムーン

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「魔術を……。ねぇ、ブラーチさんはどうして魔術を使えたの?魔術師は、悪魔に憑依を赦した人間だけがなれるものだけじゃないの?」 「私は悪魔と契約していない。ただ、魔術師にはもう一つ、なる方法がある」 「それは何?ブラーチさんはその方法で魔術師になったの?」 「あぁ、魔術師……悪魔と契約した人間の血が流れている場合だ」 「ブラーチさんは……魔術師の血が流れているって事?」 「そうだ」 ブラーチは頷く。 「当然、村中にこの事件は知られて、私は悪魔の子だと言われ処刑されそうになったよ」 「されそうになった?何があったの?」 続きを聞き出そうと、クレアが問い詰める。だが、突如ブラーチの表情が険しくなる。 唇をぎゅっと噛みしめ、口を噤んだ。 「……聞かない方が良い」 「ここまで来てそれは無いわ。話して、ブラーチさん」 「やめろ。絶対に、君にだけは話したくない」 「どうしてそんな事を言うの?」 「……」 「……分かったわ」 ようやくクレアもこれ以上は無駄だと諦めたのか、視線を落とし、ため息をついた。
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