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「魔術を……。ねぇ、ブラーチさんはどうして魔術を使えたの?魔術師は、悪魔に憑依を赦した人間だけがなれるものだけじゃないの?」
「私は悪魔と契約していない。ただ、魔術師にはもう一つ、なる方法がある」
「それは何?ブラーチさんはその方法で魔術師になったの?」
「あぁ、魔術師……悪魔と契約した人間の血が流れている場合だ」
「ブラーチさんは……魔術師の血が流れているって事?」
「そうだ」
ブラーチは頷く。
「当然、村中にこの事件は知られて、私は悪魔の子だと言われ処刑されそうになったよ」
「されそうになった?何があったの?」
続きを聞き出そうと、クレアが問い詰める。だが、突如ブラーチの表情が険しくなる。
唇をぎゅっと噛みしめ、口を噤んだ。
「……聞かない方が良い」
「ここまで来てそれは無いわ。話して、ブラーチさん」
「やめろ。絶対に、君にだけは話したくない」
「どうしてそんな事を言うの?」
「……」
「……分かったわ」
ようやくクレアもこれ以上は無駄だと諦めたのか、視線を落とし、ため息をついた。
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