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「……やっぱり、そうだったのね」
「やっぱり?」
「……知っていたわ。全部」
クレアの口から出てきたのは、既知の言葉だった。
「何だと!?」
「魔術師であれば当然悪魔との協力者として扱われる。ブラーチさん。貴方に至っては、貴方の関わるところでは大量の殺人が起きていた。当然、アマラ軍は貴方の事をマークしていたわ。ずっとね」
もう一度クレアは銃を突きつける。まるで、獲物を捕らえて逃がさないといったように。
「それでも、アマラ軍が貴方を生かしたのは、対マスカ用の研究員として利用しつくすためよ」
「利用し終わったら殺す気か。私を」
場合によっては戦わなければならない。拳を握りしめ睨むブラーチに対して、クレアは冷徹な表情で引き金に指を掛けて「えぇ」と言い放つ。
「役目が終わった後の貴方の殺害。それが私のガーディアンとしての仕事よ」
「っ……」
「けど、そんな事できないのよ。もう」
「え?」
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