10.ハンターズムーン

22/62
前へ
/743ページ
次へ
「あぁ、テレーノ教の教祖様です。この宗教を信仰すればマスカからゴーレムの御加護で我々を守ってくれるのです」 次に出てきたキーワードは「ゴーレム」 「なんだと!ゴーレムが!?」 教祖ミーナによって、ゴーレムが人間を守る。だとすれば、自分達の探していた人物はもう、目の前なのではないか。 フランも同じ事を考えていたようで、リュクレーヌに耳打ちをする。 「ねぇ、もしかして……この宗教の教祖様がゴーレムの所有者なんじゃ……」 「そうかもしれねぇな。教祖様に会わせてくれることはできます?」 ここまで来たんだ。リュクレーヌは信者に交渉してみる。 「いや……それはちょっと」 信者はばつが悪そうに声を小さくしていった。その様子を見たまた別の信者が近づく。 「おい、どうした」 これは好都合だ、この人に同じ交渉をしようとリュクレーヌは同じように尋ねた。 「あぁ、僕たち教祖様に会いたいんですけど」 「何を言っているのですか!?我々のような一般人がミーナ様に会えるものですか!?」 頭でも狂っているのかと言うように、もう一人の信者は声を裏返した。
/743ページ

最初のコメントを投稿しよう!

106人が本棚に入れています
本棚に追加