10.ハンターズムーン

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◆   新聞社から事務所に帰ってくると、フランは早速キッチンへと向かった。 日照時間が短くなり、日が沈むのが早い。もう外は夜の色に染まっていた。 フランは早速、牛乳と野菜を取り出した。その様子を背後からリュクレーヌが伺う。 「何作るんだ?」 「今日のメニューはかぼちゃのシチューだよ」 「おぉ、最近肌寒いしな。ちょうどいい」 「あとは、チーズバケットとデザートはミルクプリンね」 牛乳とチーズ、今夜のメニューに共通する事項をリュクレーヌが指摘する。 「乳製品多くないか?」 「だって、カルシウム必要でしょ。さっきのやり取りでストレスたまって……」 新聞社での一幕は相変わらずストレスフルなものだった。それもこれもあの編集長の人を食ったような態度のせいだろう。 あぁ言えば、こう言う。手など出そうものなら記事にするぞと脅す。世論の手綱を握っているのは我々であると言うように。 「あぁ、そういう事か」 「リュクレーヌだってムカつかない?僕普通に腹立ったんだけど」 「いや、腹は立つけどもう慣れてきたな。アイツはもう、あぁいうやつなんだって、割り切ることにした。いちいち苛ついていたら立てる腹が足りなくなる。それに、証拠が無いのは事実だしな」
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