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「なに……これ?」
分からない。考えても分からなかった。
何がどうなっているんだ、と少年は、はくはくと呼吸を乱しながらパニックに陥る。
──夢ならこんな悪夢覚めてくれ。いや、現実であってはいけない。どうか夢であってくれ。
祈っても意味がなかった。ギシギシと異音を立てながら機械の腕が振りかぶる。
そして、拳が少年の方へと向かう。
──あぁ、僕も。兄さんたちの所へいくんだ
死ぬんだ。覚悟はした。
が、その拳は少年に直撃する事なく、動きを止めた。
「……?」
腕が無くなっている。それに気づいた化け物は暴れた。
何処からともなくズガン、と銃弾が撃ち込まれる。
すると、化け物は動きを止め、消滅した。
家はもうボロボロだ。土埃が舞う。少年がせき込むと、何やら人影が近づく。
「誰?」
土埃に覆われて姿は分からないが。
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