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それから一週間が経った。二人は調べようと言った、テレーノ教について調査をしていた。
テレーノ教は、本来大地──つまり土の神に感謝をさ捧げる、小さな宗教だった。
だが、ゴーレムが現れてから信者も大量に増え、戒律なども公になっていった。
「テレーノ教は随分と戒律が厳しいみたいだね」
「そうだな。日没に教会で祈りを捧げる……ただそれだけの宗教だと思っていたんだが、な。礼拝後は真っすぐ家に帰りそれ以降は外出禁止。」
一般的に知られていた情報としては、夜に礼拝がある程度のものだった。
しかし、礼拝の後は一切の外出は禁止という戒律まで現れた。恐らくゴーレムが増えてからの後付けだろう。
理由は明白だ、夜の方がマスカの動きは活発になる。信者たちの安全をできるだけ確保するためだ。
「他にも、飲酒・喫煙の禁止」
「禁断症状とか出ないと良いけど」
「街以外への訪問禁止」
「この街から出て行くなって?無茶言うなよ」
「娯楽類の禁止、勤労と勉学のみに励みなさい……」
「これ!これが一番意味わからない!娯楽禁止ってトランプもチェスも全部禁止って事だろ!俺なら死んじゃうね!」
リュクレーヌは遂に、荒々しく声を張り上げる。
「リュクレーヌは死なないでしょ」
「心が死ぬって意味だよ。娯楽無しの人生なんてない方がマシだ」
「あぁ……そうか、ごめんね」
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