10.ハンターズムーン

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「私の息子がテレーノ教に入信したばかりに、失踪してしまったのです」 「失踪!?」 「それは、どうして……詳しく聞かせてくれませんか?」 思わぬ形で宗教団体の闇へと近づいた。女性は「えぇ」と頷くと話を始める。 「ある日の夜の礼拝で祈りをささげた後、彼は飲むべき薬を教会に忘れてきたのです。やむを得ず、教会へと取りに帰りました」 信者であった息子、プルーは薬を取りに帰るために、教会へと帰った。 「しかし、夜の礼拝後の外出は禁止。息子は帰ってきませんでした」 「なるほどな、戒律を破ったから失踪したと」 やはり、戒律違反は厳しく罰せられるのだろう。外出禁止の戒律を破ったプルーは失踪した。 それが、教会のせいであるという証拠こそないが、可能性としては考えられる。 「うぅっ……息子は、テレーノ教に殺されっ……うぐっ!?」 女性の胸を槍のようなものが差す。 いや、槍ではない。槍のように先端がとがった腕だ。 人間ではない?だとすれば── 女性が倒れると彼女を刺した犯人が二人の視界に映る。 人形の躰にペストマスク──ゴーレムだ。
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