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「なっ……ゴーレム!?」
「おい!何をやっているんだ!人間だぞ!」
リュクレーヌはゴーレムに怒鳴りつける。
彼らに自我があるのだとすれば、言葉を理解できるのであれば、人間を殺してしまった事に気づくはずだ。
ところが、目の前のゴーレムは何一つ狼狽えることなく、リュクレーヌの言葉に耳を貸す事は無かった。
「テレーノ教に逆らう者は殺すってか?従順なこった」
「やっぱり、自我はないみたいだね……うわっ!」
自我が無い。
その上二人のことすら敵とみなしたのか、攻撃を仕掛けてきた。
「どうやら、戦う以外ないみたいだな」
「戦うって!そんな、どうやって」
「忘れたか?こいつらは実質マスカだ。同じように戦えばいい」
そうだ、ゴーレムという名前を掲げようと彼らはマスカだ。その上人を殺してしまっているのだ。
──彼を止めなければ
「分かった!」
フランは、スチームパンク銃を取り出し、突き付ける。
だがゴーレムは一切動こうとしない。
──目が見えないのか?耳は?じゃあどうやってマスカと戦ったんだ?
フランは攻撃を躊躇する。もしかして、何か作戦でもあるのか?
いや、それでも──
思考を回しているうちに、ゴーレムの方から攻撃に入った。
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