10.ハンターズムーン

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「なっ……ゴーレム!?」 「おい!何をやっているんだ!人間だぞ!」 リュクレーヌはゴーレムに怒鳴りつける。 彼らに自我があるのだとすれば、言葉を理解できるのであれば、人間を殺してしまった事に気づくはずだ。 ところが、目の前のゴーレムは何一つ狼狽えることなく、リュクレーヌの言葉に耳を貸す事は無かった。 「テレーノ教に逆らう者は殺すってか?従順なこった」 「やっぱり、自我はないみたいだね……うわっ!」 自我が無い。 その上二人のことすら敵とみなしたのか、攻撃を仕掛けてきた。 「どうやら、戦う以外ないみたいだな」 「戦うって!そんな、どうやって」 「忘れたか?こいつらは実質マスカだ。同じように戦えばいい」 そうだ、ゴーレムという名前を掲げようと彼らはマスカだ。その上人を殺してしまっているのだ。 ──彼を止めなければ 「分かった!」 フランは、スチームパンク銃を取り出し、突き付ける。 だがゴーレムは一切動こうとしない。 ──目が見えないのか?耳は?じゃあどうやってマスカと戦ったんだ? フランは攻撃を躊躇する。もしかして、何か作戦でもあるのか? いや、それでも── 思考を回しているうちに、ゴーレムの方から攻撃に入った。
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