10.ハンターズムーン

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「痛っ……!」 ゴーレムはフランを突き飛ばした。 やはり、戦うしかない。フランはまず上体を起こした。 それでもゴーレムは蹴りを入れたりしてフランのことをとにかく突き飛ばした。 ──おかしい、どうしてさっきの槍は使わないんだ?突き飛ばすだけの攻撃なのはどうして? フランを殺す気なのであれば、槍の腕で突き刺せば終わるのに。 勿論殺されたくはないのだが。だが、そんな油断をしているのであれば── フランはもう一度スチームパンク銃を構える。 ──ここだ! ゴーレムが避けられないタイミングで引き金を引いて銃弾を放つ。 銃弾は、ゴーレムを貫き爆発した。 「えっ……?」 呆気なくゴーレムは撃退された。 「フラン、すごいな。あっという間に倒したじゃん」 「うん……でも」 「どうした?」 ──なんだろう。この違和感 人を殺し、自分を襲ったゴーレムを倒したというのに。 嫌な予感だけがフランの心中に渦巻いていた。  
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