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「痛っ……!」
ゴーレムはフランを突き飛ばした。
やはり、戦うしかない。フランはまず上体を起こした。
それでもゴーレムは蹴りを入れたりしてフランのことをとにかく突き飛ばした。
──おかしい、どうしてさっきの槍は使わないんだ?突き飛ばすだけの攻撃なのはどうして?
フランを殺す気なのであれば、槍の腕で突き刺せば終わるのに。
勿論殺されたくはないのだが。だが、そんな油断をしているのであれば──
フランはもう一度スチームパンク銃を構える。
──ここだ!
ゴーレムが避けられないタイミングで引き金を引いて銃弾を放つ。
銃弾は、ゴーレムを貫き爆発した。
「えっ……?」
呆気なくゴーレムは撃退された。
「フラン、すごいな。あっという間に倒したじゃん」
「うん……でも」
「どうした?」
──なんだろう。この違和感
人を殺し、自分を襲ったゴーレムを倒したというのに。
嫌な予感だけがフランの心中に渦巻いていた。
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