10.ハンターズムーン

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フランの嫌な予感は翌朝、的中してしまう。 珍しく早く目が覚めたフランはリュクレーヌと朝食を摂っていた。 バターとジャムをたっぷり塗ったバケットをかじりながらリュクレーヌは新聞を広げる。 「ねぇ、そういういえば、まだその新聞とっているの?」 「あぁ、胸糞は悪いが、ゴーレム関係の情報を手っ取り早く手に入れるにはこれが一番だ」 ネオン新聞社の記事が一番早く、多くゴーレムの記事を書いている。 この件が片付くまでは、腹が立とうとそれはひとまず置いておいて、情報源として使わざるを得なかった。 「まぁ、確かに……あぁ本当だ。今日もゴーレムの記事……て、ん?」 いつものようにゴーレムの記事を見つける。そこまではいつも通りだ。だが今日の一面にはどうも見覚えがあった。 たしか、この写真に乗っている場所── 「どうした?」 「リュクレーヌ!大変だよ!やられた」 「何だと!?」 「ここだよ『アマラ、ゴーレムを破壊』って、昨日の事が載っている!」 一面に書かれているのはフランがゴーレムを破壊してしまったという事。 写真はフランがゴーレムをスチームパンク銃で破壊した現場がばっちりと収められている。 「おぉ!フランばっちり撮られてるじゃん!」 「感心している場合!?やっぱり僕たち嵌められたんだ!昨日のゴーレム、おかしいと思ったんだよ。マスカを何体も倒すほどの力があるはずなのに、あっさり僕に倒されたじゃん」 「違和感はそれだったのか。いやー、それにしてもよくここまで嘘八百並べられるなぁ……ん?」
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