10.ハンターズムーン

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しかし、リュクレーヌは余裕綽々でソファに腰掛ける。 「けどアドミラさん。おかげで一つ分かった事があるぜ」 「何?」 「あぁ、あのゴーレムたちは真っ黒な存在だってこった。アマラ叩きの世間の追い風をつかって、軍を崩壊まで導くために存在していたんだ」 「一体何のためにそんなことを」 「決まってんだろ。アイツらみんなマスカなんだよ。マスカは人間を殺すための機械だ。敵であるアマラは潰したいだろ」 ゴーレムはマスカである。今は人間を護っているが、これが作戦でありいずれ牙を剝くとしたら。 対抗勢力であるアマラの芽は摘んでおく。 だとしたら、事実を湾曲してフランを──アマラを悪者にしてゴーレムとの戦いをけしかけた新聞社も一気に黒くなった。 「なるほど……だが、その証拠は」 しかし、決定的な証拠はない。ゴーレムもテレーノ教もネオン新聞社も確実にマスカ──ファントム側についているという証拠だ。 テレーノ教の内部に侵入しない限り教祖であるミーナには会えないだろう。証拠は掴めそうにもない。 「証拠は潜入捜査で掴む」 「え?潜入捜査はやらないって」 「あぁ、信者としての潜入はしない。この意味、分かるか?」 「……あっ!もしかしてゴーレムとして潜入する?」 「そうだ。幸いゴーレムはペストマスクで顔を隠している。躰を人形みたいにうまい事メイクすれば、まぁ、何とかなるだろ」
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