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しかし、リュクレーヌは余裕綽々でソファに腰掛ける。
「けどアドミラさん。おかげで一つ分かった事があるぜ」
「何?」
「あぁ、あのゴーレムたちは真っ黒な存在だってこった。アマラ叩きの世間の追い風をつかって、軍を崩壊まで導くために存在していたんだ」
「一体何のためにそんなことを」
「決まってんだろ。アイツらみんなマスカなんだよ。マスカは人間を殺すための機械だ。敵であるアマラは潰したいだろ」
ゴーレムはマスカである。今は人間を護っているが、これが作戦でありいずれ牙を剝くとしたら。
対抗勢力であるアマラの芽は摘んでおく。
だとしたら、事実を湾曲してフランを──アマラを悪者にしてゴーレムとの戦いをけしかけた新聞社も一気に黒くなった。
「なるほど……だが、その証拠は」
しかし、決定的な証拠はない。ゴーレムもテレーノ教もネオン新聞社も確実にマスカ──ファントム側についているという証拠だ。
テレーノ教の内部に侵入しない限り教祖であるミーナには会えないだろう。証拠は掴めそうにもない。
「証拠は潜入捜査で掴む」
「え?潜入捜査はやらないって」
「あぁ、信者としての潜入はしない。この意味、分かるか?」
「……あっ!もしかしてゴーレムとして潜入する?」
「そうだ。幸いゴーレムはペストマスクで顔を隠している。躰を人形みたいにうまい事メイクすれば、まぁ、何とかなるだろ」
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