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人形メイクにペストマスク。クレアとブラーチの協力もあってリュクレーヌとフランはゴーレムへと変装した。
リュクレーヌは「まるでハロウィンの仮装だな」と少し楽しそうだった。なんだかんだ言って潜入捜査は好きなのかもしれない。
昼のうちにゴーレムに紛れ、マスカと戦う。戦闘が終わり、他のゴーレムと共に夜が更けた頃教会へと戻る。
礼拝が済んで人っ子一人いない教会へはすんなりと侵入できた。あとは他のゴーレムたちの目を盗み、目的地へと向かう。
目的地は、先ほどまで大勢の信者で埋め尽くされていた礼拝堂だった。
「ここまですんなり潜入できるとは。案外チョロいな」
「油断は禁物だよ。バレちゃったら全部台無しなんだから」
「大丈夫だよ。あとはここで待機しておくだけだ」
「ここって……礼拝堂だよね?どうしてこんな所に?」
高い天井に広いフロアはシャンデリアでも吊り下げてあれば、まるで舞踏会の会場を思わせるように豪華絢爛に飾り付けられていた。
シンプルな外装とは裏腹に、中身は派手な教会だった。しかしなぜ、礼拝堂に待機するのだろうか。フランは目的を尋ねる。
「信者のプルーが失踪しただろ。彼は礼拝の後に家帰ったが外出した。その後消息を絶っている。」
「うん、戒律違反をしたからだよね……やっぱり殺されたのかな」
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