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一人は白いシルク生地のワンピースを纏った女性。もう一人はスーツの男性だった。目を凝らしてみる。
よく見ればあの、ネオン新聞社のいけ好かない編集長だ。
──やっぱり、アイツはテレーノ教と繋がっていたのか
大方、予想通りだった。
このまま耳をすませておけば、もう一人の女性の正体。この二人の関係が分かるだろう。
リュクレーヌとフランは体を硬直させ、二人の会話に聞き耳を立てた。
「そう言えば、今回の記事もよく書けていましたね」
「えぇ、今回もゴーレム……テレーノ教の宣伝になったようで何よりです。ミーナ様」
もう一人の女性はミーナ──テレーノ教の教祖だった。それでは教祖と編集長。宗教と新聞社。
この二つの組織にはどのような関係が隠されているのだろう。
二人はリュクレーヌ達の姿などに気づくはずもなく、話を続けた。
「まぁ、あれだけの金額を投資しているのであれば当然ですがね……まぁ、おかげでアマラ軍への攻撃が表立って出来るようになった。ありがとうございます、ウェスペル編集長」
「……しかし捏造というのはいささか危ないことでは?」
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