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──捏造、フランの記事の事か
編集長──ウェスペルはおろおろとしながらミーナに問う。
「大丈夫ですよ。皆馬鹿ですから見事に騙されている。あれだけ持ち上げていたアマラ軍が裏切ったんです。そうなると充分ヘイトは溜まるでしょう。後は簡単。人々のストレスを溜めるようにすればいいんですよ。そうすれば何も考えずにアマラを敵視する」
「はぁ……」
「何ですか?不満なのですか?良いのですよ。融資を辞めても」
「いえいえ!テレーノ教はウチの大型スポンサーです。これからもミーナ様のご指示の下記事を書かせていただきます」
あれほどに隙が無かったウェスペルが、何度も冷や汗を拭い、へこへこと頭を下げている。
金銭を授与されているスポンサーの前では流石に大きな顔は出来ない。二人の力関係は明らかだった。
「ならば、よろしい。次はどうしましょうか……あぁ、こんなのもいいですね。アマラとゴーレムの戦闘中にマスカを加勢させて、アマラの味方をさせる。これでアマラはマスカと手を組み、人間の敵となった事を目に見せてあげればいい」
ミーナは聖母のような大人しく優しい声で恐ろしい事を口にする。
「あぁ……そうですね。ですがマスカはどのように用意するのですか?」
「簡単ですよ。マスカに見せかけたゴーレムを用意すればいい。戒律違反の信者をゴーレムにしてしまえばどうにでもなります」
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