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「もしかして、この間この教会にかえってきた青年も……」
「えぇ、勿論。死体はゴーレムにしてあげました。死体はアマラ軍から土葬の依頼で沢山もらっていましたが足りなくなってきたので」
悪びれも無く、柔らかい笑顔で言うミーナに対して、ウェスペルは「ひ……」と声を漏らした。
プルーはやはり殺されてゴーレムにされていた。二人が彼の事を認知しているのだとしたら、教会に戻ってきた時に会話を聞いてしまったのだろう。
聞いてしまったばかりに、彼は命を落とす羽目になったのだ。
「何も心配は要りません。テレーノ教の教徒はみなゴーレムになる事を光栄と思うので」
戒律を違反した者はゴーレムにすればいい。ミーナは言い放つ。ゴーレムとしてマスカと戦い、人間を守るヒーローとして称えられる。
それならば、ゴーレムも悪くは無いだろうというのだ。恐ろしいのは彼女が本気でそう思い、裏の無い声で淡々と語っている事だ。
リュクレーヌも冷や汗を垂らし、フランも青ざめ、身震いした。
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