10.ハンターズムーン

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混乱する信者に対して発信するように、リュクレーヌとフランは叫ぶ。 教会の前の人だかりが、一気にざわつく。 「そんな……嘘だ!」 「信じられない……」 信者の中には狼狽え、事実を受け入れない者── 「ふざけるな!何を言ってるんだ」 「お前、頭おかしいんじゃないのか!」 怒り狂い、リュクレーヌ達を疑う者がほとんどだった。 「うーん、やっぱり簡単には信じてもらえないか」 リュクレーヌは諦めた様にペストマスクを脱ぎ捨てた。フランも同様にマスクを脱ぐ。 「どうする?リュクレーヌ」 それもそうだ。確実に決定的な証拠は写真しかない。それに写真だけではミーナとウェスペルが会っているという事しか分からない。 真面目なテレーノ教の信者たちは矛先をリュクレーヌ達に向ける。 「大丈夫、こんな事も有ろうかともう一つ証拠は持って……っ」 リュクレーヌの言葉を遮るように強い振動を伴い轟音がする。 屋根の上に誰かが来たようだ。視線を向けるとゴーレムに乗った白いワンピースの教祖──ミーナがいた。 背後にはウェスペルも居た。騒ぎを聞きつけて駆け付けたのだろう。きっとまたスクープを書かせるために。
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