10.ハンターズムーン

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──何か、嫌な予感がする。 リュクレーヌの脳裏にある可能性を並べる。 ──あのゴーレムはマスカ。主人であるミーナの意思には絶対に逆らえないはず。もしかして主人が別にいる?だとすれば主人はやっぱり── 答えはすぐそこまで来たところで、ぞわりと、恐ろしいほどの寒気が背中に這った。 ──この気配は! リュクレーヌは危機を察して反射的に叫んだ。 「まずい!逃げろ!」 リュクレーヌの声に、フランも気づき、突如動き始めたゴーレムの拳を避けた。 拳は、逃げ遅れたミーナの頭部を吹き飛ばした。ゴーレムはそのまま、もう片方の腕を槍にして、腰を抜かしたウェスペルの腹を刺し、血肉をかき分け、腸を引きずり出した。 「お望み通り、教祖様」 ゴーレムの背後から、マントを纏った男が顔を出す。 「ファントム!」 「どうして……」 ファントムの姿を見た信者たちは大慌てで逃げ出そうとする。 「やぁ、久しぶりだね。長い事拘束されていて退屈だったよ」 「そうだ、お前はアマラ軍に拘束されていたはずだろ?」 「いやー。まぁ、事前にいろいろ準備しておいてよかったよ」 「なっ……どういう事だ」 「ボクが拘束される前の協力者も居たって事だよ。一人はあの船乗り。もう一人は今回の教祖様ってこと」
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