10.ハンターズムーン

61/62

106人が本棚に入れています
本棚に追加
/743ページ
「それで、君も酷いもんだよ。ルーメン。あぁ、今はリュクレーヌだっけ?どっちでもいいや。キミは存在自体が悪だ。」 ファントムは指をリュクレーヌに突き付けた。 「キミの弟は、兄であるキミに嫉妬してマスカを作ったんだよ?自分がルーメンになるためにね。それはつまり、キミさえいなければルーナエは僕と契約する事なかったのにね。マスカという存在の元凶はキミなんだよ?」 「なっ……」 「ほんっとに、この世の人間たちはみんな屑だらけでボクは嬉しいよ」 「お前!」 「あぁ、キミはもう人間じゃなかったね。失礼。でもね、人間なんてみんな屑。それを自分の物差しで正しいって言い張るやつはもっと愚かだと思うんだ。この教祖様みたいにね?」 何度か足でいたぶっていたため原型をとどめていないミーナの頭部をファントムは蹴り飛ばした。 「だから僕は、この教祖様と逆の事を考えている。屑だけの世界を作り上げたいんだ」 背後にいたゴーレム──マスカが動き出す。手から光線のようなものを、地上の逃げ遅れた信者に向けぐるりと放った。 「つまり、正しい人間は要らない。」 放たれた光線は爆発し、その場にいた信者は跡形もなくなってしまった。 ──このままでは、皆殺しだ
/743ページ

最初のコメントを投稿しよう!

106人が本棚に入れています
本棚に追加