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「あぁ、分かったよ。まずは奴の魂を消す方法を調べ……」
「ちょっと待ってよ!」
リュクレーヌの言葉を遮ってフランが叫ぶ。その表情は酷く歪み、見ただけで拒絶を意味する事が分かった。
「どうした、フラン」
「全てのマスカって事は……リュクレーヌはどうなっちゃうんですか!」
「……」
アドミラは沈黙する。
フランの言い分はこうだ。ファントム封印によって全てのマスカが停止してしまう。
世界の脅威となる殺戮兵器が全停止するのであればそれは人類の勝利を意味するのだろう。
しかし、人間の為に、マスカの正体を見破り、ファントムの協力者を探ったリュクレーヌもマスカである。
この功労者も意思を失い停止する。そんな事があってたまるかとフランは訴えた。
ラルファが助け舟をと口を開く。
「フラン……これしか方法はないんだ。それに、このままではマスカがこの世界を支配し、人間は絶滅しかねない。それに──」
「だからって、リュクレーヌが死んでも良いって言うんですか?」
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