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あまりにも早い切り替えにフランは「そんな!」と叫んだ。
「リュクレーヌのお父さんとお母さんなんだよ!?もう少し調べるとか──」
フランの言葉にリュクレーヌが顔を向ける。
固く噛みしめられた唇に、今にも泣きそうで力が入ってしまっている瞼。
彼も、状況が受け入れられない、見て取れた。フランはリュクレーヌの表情を見た瞬間、これ以上は何も言えなくなり、黙ってしまった。
「俺にも何が起きているか、分からないんだ。少しだけ……忘れさせてくれ」
「ごめん……」
「それに、ルーナエの事を調べればこの事件についても何かわかるかもしれない。急ごう」
このまま悲劇の食堂に居ては本来の目的を忘れてしまいそうで、リュクレーヌ達は先を急いだ。
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