11.ビーバームーン

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七月七日 どうやらファントムは僕の願いを叶えるために、マスカというシステムを使うらしい。 マスカは、仮面を使って死後の魂を他人に転生させるもので、開発には僕の協力が必要だという。 友達のお願いだ。 僕は引き受けることにした。 勉強が得意な事が、こんなところで役に立つなんて思っていなかった。 ファントムは鏡の中で随分と喜んでくれていた。 「やっぱり君は最高だ!こんなにいい親友を持ったのは初めてだよ!」と こんなに感謝されるのも初めてだ。   七月十五日 ファントムに、自分以外に友達はいないのかを聞いた。 「そんなもの居ないよ?人間はほとんどが屑だからね」と答えた 「僕も、屑なの?」と聞き返すと 「ルーナエは違うよ。僕のトモダチだ!」と言ってくれた。 嬉しいな。 ファントムの為にも頑張らなきゃ。   七月十七日 せっかく友達になったんだ。 友達の事はもっとよく知りたい。 ファントムにいろいろ聞いてみた。 好きな食べ物は? そしたらファントム、なんて言ったと思う? 「全部トップシークレットだよ」なんて、ウィンクしながら言ったんだ。 誕生日には盛大に祝ってあげたかったし、 好きな食べ物があったなら作ってあげたかったなぁ。
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