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二月十八日
じゃあ、もしもこの銃で撃たれた人物の肉体と魂が同一ならば?
もしも、兄さんがこの銃で撃たれたら?
その時は死なないようにしなきゃ。
だったらこの銃に「不変の魂」の魔術をかけよう。
これじゃあまるで、呪いだな。
四月二十日
懐かしい本を読んだ。『悪魔の腸』
僕は、迷宮を作るよ。
兄さん。
七月二日
「そうだ、これで商売をしよう!」と。
絶対に駄目だ。
そんな事してしまったらこの世が殺戮兵器だらけになってしまう。
買ってはいけない。
それでもファントムは甘い誘惑を手に仮面を売り捌き商売をする気だ。
九月二十九日
遂にファントムが仮面を売ろうとしている。
乖離をしたマスカがこの世に生まれたら僕はもうお役御免で殺されてしまうだろう。
だから、保険を作っておいた。
ファントムには絶対にバレるわけにはいかない。だから、この銃は誰かに託さなきゃ。
できる事なら、兄さんに。
ごめん、兄さん。化け物にした上に重荷を背負わせようとしている。
僕の事はもういいから。本当にごめん。
この銃を受け取って。
続きはその時に絶対話すから。
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