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ルーナエはフランの方を申し訳なさそうに見た。
フランはその視線にどこか居心地悪そうにしていた。
話を要約すると、ルーナエの策ではあのスチームパンク銃は本来不死身となったリュクレーヌが使う予定だった。
それをなぜかフランが使い続けていて、二人が協力してマスカと戦っていた。ルーナエとしては想定外だったのだろう。
「つまり、僕は巻き込まれたって事?」
「その通りだよ。フラン。本当にすまない事をした。」
フランに対してルーナエは頭を下げる。兄弟の問題に無関係の少年を巻き込んでしまった。
リュクレーヌは腕組をしながら落ち着かないようにルーナエの方を見ていた。
「それで、結局、何が言いたい?」
フランが巻き込まれていただけという事は分かった。それが今回の訪問とどう関係するのだろうか。
ルーナエの目的は何なのか。リュクレーヌは改めて問いただした。
「単刀直入に言う。フラン。その銃を兄さんに託してくれ」
「え……」
フランの表情が曇る。リュクレーヌが、ずい、と前に出てルーナエの方に意図を質した。
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