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「……遅くなってごめん。君のお父さんをあんな姿にしたのに」
「どういう……事?」
人影に訊く。
「あの化け物は何?」
案外素直に返事は返ってきた。
「あの化け物はマスカ……君のお父さんが契約した仮面によって、生み出された」
「あの化物……マスカは、僕の父さんなの?」
「あぁ、君のお母さんを永遠に生かしたい。そう願ったお父さんがお母さんの皮を被った化け物になった……」
──父さんが母さんの?
状況が掴めないが、土煙は晴れ、人影の正体が現れる。
目の前には、マントを着た、黒髪の青年がいた。
「……お前は!」
一ヶ月前、父に仮面を売り、契約を交わした人物だ。間違いない。
「あぁ、君のお父さんをこんな化物にした……この仮面を売った張本人だよ」
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