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くらくら、ふらふら、頭がおかしくなりそうだ。
フランの意識は混濁していく。一言で言うならば──
「きっもちわる!」
「え?」
フランは、闇に溶けだしていく意識をいっそのこと吹き飛ばす様に大声で叫んだ。
ルーナエはと言うと、予想外の反応にきょとんとしている。
暴言のようなそれにフランも少しだけ申し訳なくなって、弁明を図った。
「いや、僕、別に嫉妬とかしていないし……なんかそう言った事今まで考えた事なかったから、なんか、気持ち悪くなっちゃった。ごめんね」
「え?弟の僕が羨ましくないかい?」
「全然?だってルーナエさんってめちゃくちゃ大変だと思うよ?リュクレーヌの弟でしょ?僕一年近く一緒に住んでいるけど、それは正直やっていける気がしない。それにしても、よくやっていたよ。本当に……」
フランは腕を組みながらうんうんと頷く。実際にリュクレーヌとの生活は大変だ。
マイペースな彼に合わせなければならない上に家事は全て自分がやらなければいけない状態。
勿論、慣れはしたがこれが一生、いや、終わらない生涯のなかで永遠に続くと思うと正直フランは遠慮するという。
それでもファントムは食い下がる。
「え?え?でも、君は兄さんと一緒に居たいから銃を渡そうとしなかったんじゃ」
「あー、それ?だって、ここまで来て後は全部リュクレーヌがやっちゃいます!って、それはいくら何でも水臭くない?今まで一緒に戦ってきて最後だけいい所取りするの!?って、なるし気分良くないよね」
つらつらとフランは自身の感情を説明する。
ある意味嫉妬かもしれない。ただ、ルーナエに対する嫉妬などは微塵もない。
リュクレーヌが一人でこの戦いの終止符を打とうとしていることに対して思う所があるというものだ。
いままで共に闘ってきたのはなんだったんだとフランも言いたいところだろう。
「まぁ……あとは、リュクレーヌってさ、一人にしたら、また不摂生しそうだし、僕が居なきゃやっぱりダメになりそうじゃん?」
笑いながらフランは続けた。どれだけ兄さんは信頼が無いんだとルーナエは呆れはてそうだ。
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