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「はは……はははは!すごいねぇ!」
ファントムはリュクレーヌの推理を絶賛した。
──この期に及んでそんな余裕があるのか?
リュクレーヌはスチームパンク銃を勿論持って来ている。銃で撃たれたら終わりなのに。
「でも、君たちの魂胆は分かっている。僕を撃とうとしているんだろ?じゃあ僕は撃たれなければいいだけだ」
だが、ファントムの方も馬鹿ではない。
躰を乗っ取っているルーナエの意図を知らないはずがない。
あのスチームパンク銃に撃たれた者がどうなるかくらいは知っていた。
「くそ……やっぱりルーナエの考えはバレていたか」
「どうせ、君たちは死ぬ。断言するよ。さぁ、かかっておいで」
ファントムが、くい、と挑発すうように手招きをする。
どちらが死んでも終わりが来る。
最期の死闘が始まった。
照準が定まらない。
いや、いつも通り戦えているはずだ。
それなのに──
「ほらほら!どうしたの!撃つのが怖い?」
標的の逃げる速度が速すぎる。せっかく合わせた照準もすぐにブレる。
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