106人が本棚に入れています
本棚に追加
/743ページ
◆
「えっ!?」
ファントムが再び目を開けた時、先ほどの閃光は何処へ行ったのか、再び闇に包まれたようだ。
しかし、場所はルーナエの部屋ではない。そんな面影何処にもない。
「何だ、何が……起きた?」
床にはびっしりと骸が敷き詰められる。よく見ればマスカの残骸だ。崖がある。辺りは闇で包まれている。
それどころでは無い。人質に捕っていたフランがいつの間にか、遠くの方でリュクレーヌに救出されている。
何よりもファントムが驚いたのは右手に握っていたはずの銃が消えていた。
「銃がない!?どうなっているんだ、これは、これは……」
混乱するファントムをよそにリュクレーヌはフランに近づき、耳打ちをする。
「フラン、俺達は逃げるぞ」
フランは頷いた。すぐ傍は崖、この崖から落ちれば脱出できることを二人は知っていた。
「しっかりつかまっていろよ」
「うん」
二人は崖から飛び降り、迷宮からの脱出を図った。
一方ファントムはいまだに状況が読めないまま、一人困惑するばかりだった。
「なんだ、一体……どうして、ここは」
「マスカレイドラビリンスの中だよ」
最初のコメントを投稿しよう!