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月明かりが差す真夜中。
ルーナエの一室で、スチームパンク銃は煌々と燃えていた。
赤々とした炎は銃だけを焼き、それ以外の室内のものには一切燃え移らない。
やがて、炎はみるみるうちに小さくなり、最後にはあっけなく消えて、そこには炭も灰も残らなかった。
「燃え尽きた……な」
スチームパンク銃はマスカレイドラビリンスそのもの。
ファントムの魂を焼き尽くすという目的を完遂し、役目を終えて炎と共に消え去った。
「全部、終わったんだね」
「あぁ」
マスカレイドラビリンスはマスカを生み出した者達を、全てを焼き去った。ファントムの魂、そして──
「ルーナエさんの魂も……」
「……」
リュクレーヌは俯き黙り込んだ。救いたかった。ルーナエの魂の為に戦ってきたはずだった。
それが、最後にはファントムの魂と共にあっけなく燃え尽きたなんて。
暫く無言の時が続く。悲しい現実に向き合うまでは時間がかかるものだ。
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