12.コールドムーン

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外出しているのだろうか。ブラーチの病院にでもいるのだろうか。 報告を兼ねているのならその可能性がある。 フランは事務所を出て、病院へと向かった。   街の様子はすっかり綺麗になっていた。 つい先日まで人外の殺戮兵器との戦争が行われていた面影などどこにもない。 病院へとたどり着くとフランは開口一番リュクレーヌを探す。 だが、病院にも彼の姿は見えない。いるのはブラーチだけだった。 「どうした?フラン」 「ねぇ!ブラーチさん!リュクレーヌは!?」 リュクレーヌの行方を訊く。すると、彼の友人からはとんでもない事が口走られた。 「リュクレーヌ?誰だ、それは?」 「えっ?」 リュクレーヌの存在を知らない?とぼけているのか?フランは慌てて説明をした。 「リュクレーヌだよ!ほら、あのマスカの……」 「マスカとは何だ?」 「なっ……」
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