プロローグ ~スーパームーン~

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という事は、彼がこの惨劇の犯人なのか? だとしたら── 少年は、男の元へ駆け寄り、涙ながらにマントを掴んだ。 「よくも!父さんを!兄さんを……!」 ──全部この人のせいで。憎い。家族を奪った目の前の男が。 しかし、男は至って冷静だった。 「気持ちはわかるが、聞いてくれ。俺は仮面を売った奴と同じ顔をしているが、中身が違うんだ」 「どういう、こと?」 「……俺の中には魂が二つある。一人は俺。もう一人は君の父さんに仮面を売った悪魔……ファントムだ」 二重人格だろうか?少年は考えようとしたが、彼の中には父の敵である悪魔が住んでいる。 その事実だけで、警戒した。 今度は自分が殺されてしまうのではないか、と。 「僕を……どうする気だ?」 少年は問う。 男は指を二本立てて「二つある」と言った。
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