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数分後、事務所にはブラーチが駆けつけた。
「それで、私が呼ばれた訳か」
「そういう事。頼んだぞ。ブラーチ」
魔術師であるブラーチならこの来訪者が悪魔のファントムであるか弟ルーナエであるかを見分ける事も出来るだろう。
単純だ。ファントムの魔力が検知されるか。
たったそれだけでいいのだ。
リュクレーヌは白衣の肩の部分を叩いた。
フランは視点をブラーチの方ではなくその横の人物へと向けた。
「ところで、クレアも一緒だったんだね」
「えぇ、近くにいたからね」
「念のため、緊急事態にはアマラが居た方が良いだろう。」
「なるほど」
もしもここで目の前の人物がファントムだった場合は戦闘に移る事になる。
アマラ軍の中でも群を抜いて強かったクレアを呼ぶのは心強い。
準備は整った。後はブラーチがこの男の正体を調べるだけだ。
「この男がファントムかルーナエか調べるという事だな。分かった」
術が唱えられる。
その瞬間、事務所が光へと溶けていく。
眩くて目を開けられない。リュクレーヌもフランもクレアも目を閉じた。
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