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二人があれ程探していたファントムを倒す方法とは案外身近なものだった。リュクレーヌは鳩が豆鉄砲を喰らったような表情をする。
「なんて、単純な……」
「だからこそ、ファントムはフランの魂を狙った。彼をマスカにする気だ。ちなみに自分に憑依できる仮面なんてとっくにないからね」
「アレはハッタリだったのか!何のために」
「フランの魂を食べてしまえばスチームパンク銃の所有権は誰にも移らない。フランを殺してもフランの魂を継ぐ来世のフランが所有権を持つことになるだろう。殺すよりも確実に、マスカにして彼の魂を葬りたいんだよ」
つまり、ファントムとしては、フランの魂が邪魔で堪らなかった。銃の所有権を持っているうちに消化して無かったことにしてしまいたいだろう。
だから、六月にフランを襲撃した際、彼を殺すことなくファントムはリュクレーヌとの手を切らせる事に注力した。
フランの傍に不死身のリュクレーヌが居ないとなれば、フランの魂を狙うのも容易になると踏んだのだ。
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