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ロボットと少女
ある夜、一体のロボットと一人の少女が、星ヶ丘と呼ばれる丘で、隣同士に並んで、話をしていた。
「ニンゲンが考えた “忙しい” って言葉があると思うのですガ、漢字で書くと
“心が亡くなる” って組み合わせになるのだと聞いたことがありマス。」
とロボット。
「じゃあ、“多忙”ってことは、何回も自分の心を亡くしてしまうってことになるのかな…。」
少女が、不安げな声でつぶやいた。
「日々のしなきゃいけないことに追われテ、
ココロを死なせてしまうなんテ、ニンゲンは悲しいですネ。」
そうつぶやくロボットの手を、少女がぎゅっと握った。
「わたしはいつだって目をキラキラさせて、ちゃんと何かを感じながら生きていたいなぁ。」
そう言って夜空を眺める少女の目には、キラキラと光る星が映っている。
「ワタシも同感デス。キラキラ、キラキラ。」
ロボットが、少女の手をそっと握り返した。
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