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今ここに集められているのはこの屋敷に携わる人達だ。この俺、運転手の高橋を含めて全部で10人いる。ここまでの証拠を揃えられてしまってはもう万事休すか。
「犯人は、防犯カメラに映っていた運転手の高橋、お前だ!」
「足あとではないのかい!!」
「どうしたそんなに叫んで?」
「ここまでのペンキの足あとや、裏庭のゲソ痕の話はどうしたんだ!ゲソ痕に至っては皆の靴をセメントまみれにしてまで、靴底を取ったのにも関わらずに、最終的な証拠は防犯カメラだと!?最初からその証拠を出せよ!」
「いや、だってさ、あんなに皆さんの靴を汚しておいて、うっかり忘れていた防犯カメラの映像が証拠でしたじゃ合わせる顔がないでしょ」
防犯カメラをうっかり忘れていたのかよ。あんなに足あと調査をしていた行動は全部無駄だったのかよ。
「あぁ全部無駄だったが、私の足あと捜査の努力も見せたかったからこうして推理のネタとして使わせてもらった」
こんな探偵に犯人とバレてしまうとは。俺もまだまだだったな。
「そうだな、私にバレてしまうとは、君もまだまだだな」
「いや、俺の心と話すなよ!周りの皆キョトンとしてるぞ?なぜなら俺の心の声は探偵にしか聞こえていないからな!」
「……まあ良い、これで犯人は捕まりました。今から警察に行って参ります。君ももうこんな犯罪はしないで、これからは真っ当に生きるんだぞ」
確かに探偵の言う通りか。もうこんな強盗のような犯罪からは足を洗って、人生をやり直すか。心を入れ替えてもっと効率的に生きるぞ。
「心を入れ替えてもっと効率的に生きるぞ。そう犯人は思っているでしょう。私も心を入れ替えて、効率の良い推理の仕方を考えるとするよ」
「心を読める能力をもっと捜査に使え!!セメントとか使うな!!」
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